こんにちは、みかんです!
子供をバイリンガルにしたいと思っている親御さんが増えていると思います。
私のように国際結婚をされている方だと、「したい」というか、さらざるを得ない、というご家庭もあるかと・・・
海外で活躍してほしい
子供の可能性を広げたい
・・・
もちろん色んなメリットや目的がありバイリンガルを目指しているところですが、同時にバイリンガルにすることにデメリットはないの?
と、バイリンガルの欠点や問題点も気になるところですよね。
よく言われるのは言語の発達が遅れるということですが、バイリンガル教育は長期間取り組んでいかないといけないのでその他にも色々注目すべき点はあります。
学校から帰って疲れている娘に日本語をやらせるのは、かわいそうだなーと思っています・・・親と子供共にそれなりに精神的・時間的負担がかかるのもデメリットかなー。
バイリンガル教育をしていく上ではどうしてもデメリットに目をつぶることはできないので、今回はこちらの記事でまとめてみました!
これからバイリンガル教育を始めようと思っている方、バイリンガル教育をしているけどこのまま続けても大丈夫?と心配の参考になれば幸いです。
子供をバイリンガルにする問題点(デメリット)はある?
早速ですが子供をバイリンガルにする上での問題点やデメリットを挙げていきます。
「一般的に言われていること+実際にバイリンガル教育中の私が感じること」の両方を挙げてみました。
- 言葉の発達が遅れる
- 精神的な負担
- 経済的な負担
- 時間的な負担
- 予測不能(将来バイリンガルになれる保証はない・セミリンガルになる可能性もある)
言語の発達が遅れる
バイリンガルの欠点としてよく挙げられるのは言語の発達が遅れるということです。
よく言われているのは子供のインプットできる文字数が100だとした場合、
「1言語のみで育てられている子供が100個の言葉を覚える」
ところ、
「2言語以上の環境で育てられている子供はそれらの複数言語を合わせて100個となる(例えば日本語単語50個、英語50個のように)」
ので、言語が遅れているように感じるということ。
ただし、私個人的には「言語の発達はバイリンガル教育はあまり関係ない」かな、と思っています。
我が家の場合は、
- 上の子が6歳10ヶ月、下の子が3歳3ヶ月までは子供二人を3ヶ国語ミックスの状態、その後は2ヶ国語ミックスの状態での育児
- 友人家族もバイリンガル・トリリンガル、そしてそれ以上のマルチリンガル家庭の方がモノリンガル家庭より断然多い
- 旦那は幼稚園〜高校までが一貫になっているフランス人学校で長年働いており多くのバイリンガル家族と関わりあり
- 友人の多くも海外で教員
- 義理母も海外のフランス人学校で教員として長年働いていた
というように、私の周りにはバイリンガル以上の家庭がかなり多いですが、私自身の経験からも私の周りの人も、バイリンガル教育をする上で言語が遅れるといった感覚を全く持っていません。
「バイリンガル教育=言語が遅れる」というような認識が少なからずあるのも確かなため、バイリンガル教育をしている家庭が言語の発達により敏感で「言葉の発達」ということに注意しすぎなのかもしれないですね。
実際にモノリンガルの環境でも言葉が早い子遅い子がいます。
幼少期の言葉の発達については、バイリンガル・モノリンガル関係なく個性によるところが多いと思います。
一方で一番バイリンガルのデメリットとしてあげられることが多いのでこちらの記事でもデメリットとして挙げておきました。
精神的な負担
「精神的な負担」これは私が一番直面している問題です。
小学生に上がる前くらいまでは問題なく、家庭内で使われる複数言語を喋ってくれることが多いですが、学校に行き始めると学校で使う言葉が一気に強くなってくることが多いです。
我が家の場合も、保育園くらいまでは日本語・フランス語を均等に話していましたが、小学校に入った途端、学校で使っているフランス語が一気に増えました。
具体的には
- 私が日本語で話しかけてもフランス語で返事をする
- 兄弟同士で遊ぶ言語がフランス語
- 日本語で話している時もフランス語の単語が出てくる
・・・
そのままほっておけば、フランス語一色になってしまうのは一目瞭然ですから、何度も日本語を話すように促さなければなりません。
言った先からフランス語で話されると、「もうー日本語!!!」となってしまいます・・・
これは親も子も結構精神的に辛いんですよね。
親もイライラ、子も「また言われた・・・」と思っていると思います。
また「日本語で話しなさい」と伝えるために、会話が一時止まってしまうのも悩みです。
子供のために、と思いながらも何度も何度も日本語に直すのは「子供が話したいことを話せているかな?」「話すの嫌になっちゃわないかな」と心配になっているのも事実です。
また年頃になると「日本語を喋るのを嫌がる」という話もよく聞きます。
我が家の娘も以前アジアの国に暮らしていた時はいろんな言葉が飛び交っていたので、日本語を拒否することはありませんでしたが、アジア人を見かけないフランスの田舎に引っ越してすぐの頃は外出先で「ママ日本語喋らないで」と言われたことがありました。
きちんと日本語を話す理由を娘にして、今は外で日本語で話すことも嫌がりませんし、フランス人の友達の前でも私とは日本語で喋ってくれます。
大人になるまでにはいろんなタイミングで複数言語を利用することが難しくなることがありますが、だからと言って話しやすい方の言語のみを使うことにしたら、喋らなくなった言語はどんどん忘れていきます。
親も子も辛い時期があるかもしれないけど、なんとかその時期を乗り越える精神的な負担からは逃げられないかな、と思います。
経済的な負担
「経済的な負担」も大きなデメリットです。
バイリンガルに育てるには家庭学習だけではなかなか難しいと言うところがありますので学校や塾、習い事、通信教育などを利用している家庭が多いと思います。
バイリンガル教育をしている環境によっても、かかってくる経費は違いますが、海外で日本人学校に通えば月5万円以上はくだらないですし、日本でインターナショナルスクールに通う場合もやはり年間150万以上はかかってくるでしょう。
海外で補習校に通われているご家庭の場合だと、地域によって値段も全然違いますが最低でも1年で10万円以上が学費としてかかってきます。
バイリンガル教育は1年で終わりませんから、幼少期から中学・高校生くらいまでの9〜12年間くらいはそれらの経費を払い続け、子供が複数人いたらその人数だけかかってきます。
我が家の場合は以前は、アジアの都市部に住んでおり、学校はフランス人学校に通っていたので、学校の費用以外に長女は日本語教育代として塾と通信教育で月に3万円程度はかかっていました。
今はフランスの田舎に暮らしているので補習校も塾もないので、月額8,000円程度の通信教育を受講しています。
それでも1年だとやっぱり10万円弱はかかってきます・・・。
ちなみに我が家が利用しているのは無学年式のすららです。
我が家の場合は費用は比較的少ない方ですが、今までまだ年齢的に特段日本語学習費用がかかっていなかった下の子もしまじろうをやりたい!と言い始めたので、2人分が数年間かかってくると思うとなかなか覚悟がいりますね。
時間的な負担
海外で日本語を維持されようとしている場合は毎週土曜日補習校に通っている家庭が多いと思います。
補習校だけでなく、もちろん補習校の宿題があるでしょうから、学校の宿題+補習校の宿題を平日にもこなしていくには時間的制約ももちろん発生してきます。
我が家のように家で取り組んでる場合でも、毎日日本語に触れさせるために帰宅後は学校の宿題→日本語をやらせたりしています。
学校から帰って、宿題もした後に、また学習をさせるのはかわいそうだな・・・といつも思います。
また、補習校に通っていない場合は完全に「先生が親」になるため、日本語の読み書きなどをやらせている間は必ず親が横にいる必要があります。
子供、親共に時間的な負担も長期的に乗り越える覚悟をしなければいけません。
予測不能(将来バイリンガルになれる保証はない・セミリンガルになるリスクも)
そして、何と言っても上記のような負担を10年、20年頑張って乗り越えた先にバイリンガルになれる保証が100%ではないということが一番のデメリットのような気がします。
もちろん本人のやる気や得意不得意もありますが、
- 周りにバイリンガルの友達や外国人の友達がいるかどうか
- 日本に頻繁に帰国できる距離なのか
- 自分以外の家族の理解を得られるか、協力してくれるか
- そもそも子供本人が両国に興味を持てるかどうどうか
・・・・など周りの環境も大いに関係してきます。
そういった環境の問題や子供本人の問題は親がどうにかできることで、それなりに頑張ってきたけど、バイリンガルにはなれなかった、ということも必ず起こります。
なんども投げ出したくなるような努力をしてきたのだからと、ついつい期待しちゃいますよね・・・
もちろん、バイリンガルになることを目指して頑張るのは素晴らしいですが、そういう結果になることもあるということは予め頭に入れておきたいですね。
また、一番避けたいのはバイリンガルになれなかっただけでなくセミリンガル(どちらの言語も使えることができるが、ネイティブのようには操れない状態)になってしまうことですね。
バイリンガルといってもやはり基礎となる母国語というものを確立してあげないと、セミリンガルになる可能性が高いです。
以前、娘の通っていた学校ではフランス語と英語のバイリンガルクラス(6歳の時点でフランス語が喋れる場合に入学可能)があり、我が家も入れたいな、と思っていたのですが、娘の代からそのバイリンガルクラスがなくなりました。
なんで、このタイミング?!
という感じだったのですが、当時その学校で働いてた旦那曰く、バイリンガルクラスの生徒たちは中学生くらいの年齢になってくると、他のフランス語だけのクラスの子供に比べて学力が下がる傾向にあったとのこと。
バイリンガルクラスに入っているほとんどの生徒が「英語」が母国語でない子供達です。
もともと英語が母国語でない子供達が英語で物事を学んでいく→理解できていないことが多い→ある程度の年齢になると学力が伸び悩む
言葉は使えるけど、考えるための基礎ができていないので、言葉を使って表現がうまくできない、こういった状態がセミリンガルを作っていくのかな、と思います。
子供をバイリンガルにするメリット
もちろん、バイリンガルのデメリットを知った上でも子供をバイリンガルにするメリットがそれ以上にあるのでここでメリットも見直してみましょう。
- 将来の選択肢が広がる
- 複数国の文化に触れることで視野が広がる(他文化を受け入れる能力)
- 新しい言語を学習しやすい
- 人の言いたいことを理解する能力がつく
将来の選択肢が広がる
2ヶ国語以上喋ることができたら進路・就職・住居地・・・選択肢が増え子供の将来への可能性が大きくは広がります。
専門的な知識を学びたい時には、誰もがその一流を学びたいと思います。
日本では学べないこともありますし、逆に日本の方が優れいてることもあります。
将来子供が何に興味を持つかわかりませんが、「これ!」というものが見つかった時に他の国に行かなければいけないことでも迷わずに飛び込んでいける可能性を高めてあげたいですね。
複数国の文化に触れることで視野が広がる(異文化を受け入れる能力)
言語を勉強するということは同時に文化も学んでいくということです。
日本語を勉強するために日本の書籍もたくさん読みますし、日本の文化を学ぶこともしなければなりません。
そうやって、複数国の文化に触れている人はいろんな考えの人がいて当然、違って当然ということを自然に理解できます。
娘たちは現在フランス語でフランス人として生活していますが、誰かが見た目や国別の差別的な発言をした時にとても嫌がります。
我が家の暮らす場所が田舎なので余計かもしれませんが、日本に家族がいたり、インターナショナルな友達がいる娘たちにとってはフランス人だけが人間ではないということが感覚的にわかっています。
この感覚はやはり大きくなった時に世界に出ていく上でとても役立つと思いますし、人間としてもとても大切なところなので親としてはこの感覚をずっと持ち続けて欲しいと思います。
新しい言語を学習しやすい
バイリンガルは新しい言語を学習しやすいと言われています。
ある程度母国語の基礎が作られた後に他の言語を勉強する場合、「りんご」→「Apple」「Apple」→「りんご」というようにいちいち母国語介して考え学んでいきます。
そうすると、どうしても母国語にない表現や文法が出てきた場合になかなか理解できないということがよくあります。
フランス語も女性名詞・男性名詞など日本語にない概念がたくさんあるので、大人になってから学んだ私はいつも「もー!!」ってなってますw
ただ小さい頃からバイリンガルの状態にある子供は、物心ついた頃には違う言語同士はどうしてもすり合わせができないことがあるということを自然に受け入れています。
そのため、別の言語もブロックなく受け入れることができるのです。
これは上のメリット「異文化を受け入れる能力」がもたらしている効果なのかもー
人の言いたいことを理解する能力がつく
これは一般的に言われていることというよりは私が感じていることですが、バイリンガルの子は人の言いたいことを理解する能力が長けているな、と思います。
我が家の娘たちも幼いながら言いたいことを読み取ってくれることがすごく多いです。
フランス語の苦手な私のフランス語が相手に伝わらない時は私の言いたいことを読み取って代わりに「ママはこう言ってる」と伝えてくれますし、私が相手の言っていることがわからない時にもささっと、私でもわかる言葉を探して説明し直してくれます。
これは私だけにだけではなく、日本語だけしか喋れない日本の祖父母へもそうですし、私の友人たちへも同じ対応です。
次女の出産お世話に両親が来てくれた当日に、出産になってしまい・・・
当時3歳だった長女が日本語オンリーの両親をその時に生活していた東南アジアの現地語を使って買い物やレストランで全て翻訳して連れ回してくれたのには驚きました!
これは、娘たち自身が「○○語で伝えたいけど単語がわからない・・・・どうやって説明しよう・・・・」というのを小さな頃から毎日何度も繰り返しているため、相手の言いたいことを読み取ったり、簡単な言葉に変えて伝える、ということを自然にできているのかな、と思います。
結果、娘たちは言語関係なく人と話をするのが上手だな、と親ながらに羨ましくなります。
私もその能力欲しかったな。。。
この能力は人間関係を育んでいく上でも、大人になった時にいろんな人と仕事をしたりする上でもとても役に立つ能力です!
まとめ
今回はバイリンガルのデメリットについて注目してみました!
- 言葉の発達が遅れる
- 精神的な負担
- 経済的な負担
- 時間的な負担
- 予測不能(将来バイリンガルになれる保証はない・セミリンガルになる可能性もある)
良いことばかりが注目されるバイリンガルですが、デメリットも知った上でバイリンガル教育を進めていく必要がありますね。
バイリンガル教育は子供にも大人にも長期間にわたって負担がかかってきますが、やはり将来のために何とか親が頑張っていきたいところですね。
子供の明るい未来のためにも、一緒に頑張りましょー!